快晴の青

02 10, 2016
快晴にはオートフォーカスが効かない。これはなんだが気持ちがいい。機械では解析できない現象のひとつなのだ。対称が判別できないということは、機械的には存在していないことになるのだろうか。調べるとあの青は、地球の大気が太陽光の青色の波長をレイリー錯乱させて生じる色で、窒素分子と酸素分子にもてあそばれた青色の光が空いっぱいに広がり自分の目に入ってくるわけだが、そこには形がない。純粋な色だけだ。そういう物質としての存在が認知できずに色だけがわかる、という現象は空の青以外に思いつかない。目を下に向けると、重苦しい事件ばかりが地表で繰り返されている。この重力の縛りから人間が解放されることは今後も厳しそうだが、空を見ることはいつでも出来る。そこにはあらゆる呪縛とは関係ない空間がある。そういう事実に自分達が覆われていることを、快晴の青を見ると思う。
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