金魚

10 26, 2010
金魚すくい名人の映像をどこかで見た事がある。たしか紙を濡らさないようにヘリを利用して次々に金魚をすくっていた。そんなセオリー的な方法から最も遠いやり方で、先日娘が金魚をゲットした。いきなり水に浸し垂直に金魚を持ち上げ、紙を破いているにもかかわらず、なぜか金魚は下に落ちず、娘のもつお椀に移動していた。正直に言うと僕はまだ一度も金魚すくいで成功したことがなく、そのプチ奇跡にびっくりした。周囲の大人達からも拍手の祝福を受けていた。たぶん本人が一番わかっていなかったと思う。
せっかくの一匹を死なせてはならないと、その金魚君のために金魚飼育の材料を近所のホームセンターへ買いに行く。同じような境遇の方々がそれなりにいたようで、水草などが売れに売れていた。その事実は、生き物を大切にする家族が多い感じがして微笑ましい。娘は金魚君の家を選んでいた。かなり渋い流木タイプがお気に入りのようだった。

水槽の中を泳ぐ金魚を凝視していると、なぜかしばらく見続けてしまう。魚特有の無表情な顔から、何か読み取れないものかと思ってしまう。しかし、口をぱくぱくさせて金魚君はただ生きているだけで、感情的なものは見えてこない。そして実に静かだ。なにやら忙しそうだがほとんど音をたてない。隙間を狙う戦略とか関係なく、ただ移り変わる環境のなかで、生きられるだけ生きるのが金魚君のライフスタイルなのだ。
縁日の金魚は、勝手なイメージだが長生きしそうな感じがしない。尾びれに傷もあるし、当たり前だが実に小さい。この金魚君の命が尽きて、ぷかぷか浮かんでいるシーンは切なそうだ。その体に対して大きすぎる目を見ていると、長生きして頂戴と思う。
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