連鎖

08 24, 2010
無限を見ることはできないが、無限の一端を見ることはできる。
迷うことを、矛盾する両義性の狭間で揺れる状態とする時、その振れ幅でのバランスの保ち方、立ち位置の決め方が重要になる。作品制作におけるほとんどの行為は、その迷いを決断として立ち上げることでもある。

ある一定の行為を続けるうちに、ひとつの指針となる形が生まれる。その形とは、シリーズにおける他の可能性を暗示する傾向があり、迷いの振れ幅を圧縮する力を持つ。いわば無限の一端として機能を始める。しかもそれは、しばらく後になってそう見えてくる。同じような形の集積の中で、同じではないことをその形が主張し始めるのだ。この性質を持つ形を効率よく作ろうと思うのだが、どうしても出来ない。

量が必要なのだろう。行為を繰り返すことで生まれる手の動きなり何かが、しなやかな作用を及ぼすのだろう。そこで記された軌跡が、その他の純度が欠けた行為と混ざることで、その差が可視化されると考えることはできる。
そういう特別になった一枚を前にすると、その中に今まで探していた形とは異なる、別の無限性に続く要素をも秘めているように思えてくる。そして再び新しい可能性を追求すべく、行為を繋げていくことになる。その連鎖を保てる人が作家であるということだと思う。
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