過去の作品

07 27, 2013
作品がどんどん売れていくわけではないので、作った作品のほとんどは家に在る。それらは、展示が終わると次の出番まで梱包されたまま、家の収納に順次埋もれていく。そしてその多くは、正直そのまま日の目を見ることなく眠りにつく。しかしそんな作品達に時々、起きてもらうこともあり、眠っていた作品と久しぶりに再会するわけだが、これが意外に新鮮で懐かしい。僕はひとつのシリーズを作り終えると、全く別のシリーズに着手することが多く、過去を忘れてしまう感じなので、5~6年前の作品を見ると当時の記憶が蘇る。そして、作品と生活が直結しているため、当時の生活も同時に思い出すことになり、自分を取り巻く境遇がその時期時期で、それぞれ変わってきたことが見えてくる。
そういう過去作品との再会というのは、次の展示に際し傷がないかを確認するために、梱包を解くことなのだが、まずは収納探検から始めねばならない。それは僕にとってかなりな労働になる。決して小さい作品でも軽い作品でもないので、小さい窓しかないその広くもない収納空間は相当に暑い。またドミノのように立て掛けてあるので、奥の方を取り出す場合、その前列から運び出さねばならず楽ではない。しかも狙った場所には別の作品があったりして、スムーズに進んだためしがない。(それらは全て自分のせいなのだが)しかしそういう過程を経て、箱の蓋を開け作品と対面する時「おお久しぶり」と思わずにはいられない。結局世間からはスルーされ、封印されることにはなったが、当時は「やばい、なんて傑作を作ってしまったんだ」という実に勝手な確信があったわけで、それなりの思い入れもあり、いいかどうかわからないが、やっぱり悪くないとも思え、それらが展示できることが単純に嬉しい。そして、そういう機会をくれた人に心から感謝したい。

ということで来月からグループ展に参加します。どうぞ、よろしくお願い致します。
8月6日から、詳細は以下のサイトをご覧下さい。
http://www.pakupakuan.jp/information/201308.html
sw49s.jpg
関連記事
0 CommentsPosted in 制作
0 Comments
Leave a comment
管理者にだけ表示を許可する
0 Trackbacks
Top
プロフィール

任田進一

Author:任田進一
http://www.shinichitoda.com

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ