06 15, 2012
同じギャラリーの若手ホープ、酒井龍一さんの作品を観にトーキョーワンダーサイト本郷へ。ここはいい空間なのに、場所に問題があるような気がしてならないと、いつも水道橋から坂を上がるたびに思う。本当に知っている人しか来れない所だ。
酒井さんはここのところ、都庁のワンダーウォールやニュートロン東京でも個展をしている。展示が3つ重なるのは、かなりしんどいだろう。その個展3つ目の展示がどうなっているのか興味があった。

酒井さんの絵は岩絵具で描かれている。その必然性を僕は、彼が作る「黒」に感じてならない。その黒は変な言い方になるが、彩度が高い。無彩色とは思えない黒なのだ。接近して観ると、これが岩絵具の特性なのだろう、表面の粒子がキラキラと輝いており、普通の黒とは異なり、独特の奥行きがある。黒い背景が多い彼の作品には、きっとこの「黒」が必須で、油やアクリルでは駄目なのだろう。そういう素材と深く結びついた作品を観ることは、僕のような素材にこだわらないタイプの人間にとって、非常に勉強になるのだった。

1階では森部英司さんのインスタレーションで、流鏑馬のように馬に乗りながら絵具を板に叩き付ける映像作品があった。全部を観たわけではないので、勝手な意見になってしまうが、これに関してはもっと全体、つまり描かれた絵よりも、 その描き方の詳細を伝える映像の方が良いのではないかと思えた。一瞬で画面の右から左へ、馬に乗った森部さんが消え去ってしまうので、単純に大きな筆を持って馬に乗って疾走しているシーンをもっと見たいと思った。そのプロセスだけで充分魅力的だと感じた。
馬を乗りこなす技術に関しては、僕は門外漢なので想像するしかないが、かなり大変とはいえ気持ちよい行為なのだと思う。しかもかっこよさそうだ。そして、そんなことまでして絵を描いているという不思議なユーモアも含まれている。馬と密接に関わり続けることで生まれる作品が、今後どう展開していくのか非常に興味深い。
7月1日まで。
http://www.tokyo-ws.org/archive/2012/03/tws-emerging-180181182183.shtml
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