許されるコスト

05 24, 2012
次回の展示でライトボックスを使おうと色々画策しつつ、外注さんとのやりとりを進めていたのだが、どうにもこうにもコストの壁が立ちはだかり、ライトボックスは諦めることにした。LEDタイプで穏やかにランダムに明滅しつつ、、とか色々理想があったが、やめることにした。やめる決意を固め、その旨関係会社に伝えると、なんだかせいせいするものだ。これで複雑な配線図を理解する必要も、プログラミング関連のザ理数系な文章を読む必要もなくなった。たぶん首を突っ込んだらいけない世界だったのだ。ちなみに初回に制作費用として算出された金額は4,500,000円。もちろん僕が基盤を前に、緻密なハンダ作業を敢行すれば、だいぶ金額は下がるだろう。しかし秋葉系コネクションを持ち合わせておらず、理系世界からの逃避を決め込んでいた僕に、そういう設計図を理解できる自信はない。何かの奇跡で完成したとしても、展示期間の約1ヶ月、故障もせずに動き続けてくれるのかと思うと、毎晩心配で仕方ない。やはりプロの力に頼る方が懸命だろうと判断した。しかし、あの金額ではどうもにならなかった。一応、コストダウン案も相談してみた。しかしそれでも1,500,000円はどうしても越えてしまうのであった。あまりこういう具体的な金額をだすのは良くないかもしれないが、正直妥協案の金額も僕にとっては充分驚愕の数字だった。もちろん金額が全てではないが、不可能な額というのはある。あまりリアルに聞いたことがないし、もちろん人それぞれなのだが、作家の方々はどの程度までが、制作費として許されるコストなのか気になった。
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2 CommentsPosted in 制作
2 Comments
By 藤田修05 24, 2012 - URL [ edit ]

規模は違う話ですが、
若かった頃、お金がなくちゃんとした紙にも刷れず、
一番安い紙に版画を刷り、額を発注する余裕も無かったので、
ベニヤと垂木でパネルを作り、一番安い0.5ミリの塩ビを乗せて、
周りを黒のガムテープで縁取り、それをコンクールに出していました。
それでも運良く、ブリヂストン美術館に買い取っていただきました。
経済的に許されるならば、できることは山ほどありますが、
でも、作品の本質はそんなことではないように思います。
わら半紙にマッチ棒一本で描いた線にも、人の心を動かす線があるはずだと
そんなことを思って、制作しています。
次元の違う話でごめんなさい。

By 05 25, 2012 - URL [ edit ]

藤田さん、コメントありがとうございます。
「経済的に許されるならば、できることは山ほどありますが、
でも、作品の本質はそんなことではないように思います。」
全くその通りです。励みになる言葉です。

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