無表情な少女

03 28, 2012
様々な広告や雑誌に登場する女性達は、大抵ありえないくらい美人ばかりだ。巧妙なライティングで撮影され、念入りに修正を施された商品イメージとしてのモデル達は、見事に嘘を本物っぽくまとわされ、髪をなびかせ笑っている。いわゆる多数決で一番票が取れる「美」がこういう世界なのだろう。謎はどこにもなく、わかりやすさだけがそこにある。

「Dogs and Girls」ヘレン・ファン・ミーネ(ギャラリー小柳)
ヘレン・ファン・ミーネの写真に登場する女性達は、誰も笑っていないどころか、逆に無表情で美人でもない。中には異常に太った少女もいて、その張り裂けんばかりの肉の盛り上がりに少々たじろぐほどだ。しかし、この絵のような世界観は何か、足を止めずにいられない力は何か、といつも彼女の作品を観るたびに思う。プリントも小さい。しかし、この大きさを無関係にする静寂で厳かな世界は他に類を観ない。
被写体は少女が多い。しかし、よくある制服や体のパーツをアイコン化し、男性目線の妄想系少女趣味を助長するような写真群とはレベルが違う。少女を記号化せずに、個人それぞれが持つ雰囲気と、撮影者の意図を絶妙に絡めたその作品は、切られそうな危険といってもいい純粋さに満ちている。どういう場所で撮られたのかはわからないが、非常にひんやりとした空気を感じる。大人でも子供でもない微妙な年代の持つ危うさが、極端に薄いグラスのような硬質感と透明度で迫ってくる。今月31日まで。
364Eugeniahairband2010.jpg
画像:Just another WordPress.com site
hellen+van+meene.jpg
画像:http://modernleaper.blogspot.jp/2010/09/hellen-van-meene.html
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