青色

12 15, 2011
テストプリントの青色を見続けている。イメージとしてほとんど白黒のような印象でありながら、わずかに青を感じるような風合いを目指していたのだが、これがあまりに微妙だとほとんど判別不可能になるため、やはり入れるのならある程度しっかり入れようと思い、作業を進めているのだが、これが光源によってグラグラと色が振れてなかなか特定できない。下手に振れると、ひからびてシアン単色が浮き出た昔のポスターみたいになってしまい、よろしくない。でも考えようによっては、青というのはそれだけ変化しやすい色なわけで、複雑な表情を抱え込んでいるという事実は悪くない。たぶんモノクロや原色バリバリのプリントでは体験できない色の変化が見れると思う。要素をシンプルにほどいていくと、見えなかった変化が可視化される。

仕事上、印刷立ち会いに行くことがある。そこでの重要な指針は、最終決定のダミーに合わせるのではなく、よりよく全体感を整えることにある、と僕は思っている。意地悪に見れば、色なんてその日の天候にだって左右される。朝と夜でも違う。自然光と蛍光灯でも全然違うし、たとえ同じ条件であっても見る人によって色は変わる。同一人物でも気分で見え方はブレる。インクだって日によって固さが違うし、わずかの差でグラデーションがジャンプすることは珍しくない。さらに言えば、それほど苦労して印刷されて店頭に並んだとしても、商品が置かれる位置によっても色は変わる。隣にどの商品が並ぶかでも違うのだ。絶対的な色というのは、非常に存在しにくいもので、かなり流動的なものだと思っていた方がいい。

話を戻す。しっかり青を入れるとは言っても、今回の主役は実は白にある。つまり、いかにこの白の純度を上げ、他の色を感じさせないようにするために青を使っているわけだ。僕の場合完全なモノクロではどこか黄色を感じてしまい、通常少し赤みを加えるのだが、今回はそれを青に振っている。しかし、床に並ぶテストプリントの数々を見ると、もはや間違い探しゲームでしかない。目隠ししてシャッフルしたら、もう元には戻らないだろう。しかし、そうやって方向は絞られ、最後の1枚に辿り着くはずなのだ。説明しずらい「ああこれだ」という着地点を信じるしかない。展示前は地味な作業が続く。

そういえば最近ブログにアップした写真がどうも青いのは、このためかもしれない。
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2 CommentsPosted in 制作

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2 Comments
By 育子12 15, 2011 - URLedit ]

そうですよね、考え過ぎって考えてないのと一緒になってしまいますよね。
カラープリント徹夜で納得の色が出るまで何枚もやり直して
次の日の朝に見て、結局最初の一枚をオッケープリントにしたときの
自分に対する気持ちってなんとも言えません…笑

By 任田進一12 16, 2011 - URL [ edit ]

育子さん、コメントありがとうございます。
「考え過ぎって考えてないのと一緒」耳が痛い言葉ですが、全くその通りです。
ぐるぐる悩むスパイラルにはまることは避けたいですが、
あまりにサクサク進んでしまう場合も、それはそれで注意はしています。
判断力の難しさを実感する時です。

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