彫刻庭園美術館

12 07, 2011
三島にあるヴァンジ彫刻庭園美術館へ。前泊という贅沢をしたので、ほぼ開館と同時に中へ入る。前日の雨が嘘のような快晴で、しかも暖かく芝生の緑も鮮やかでフカフカで、人もほとんどいない。その庭園にしろ美術館内にしろ、小道を経て大きい空間へ、という導線が効果的で気分が高揚した。こういう場所に、作品がパーマネントで展示されている作家の幸せを思う。

「洞穴の記憶」戸谷成雄(ヴァンジ彫刻庭園美術館)
チェーンソーで刻む彼の制作スタイルは相変わらずであった。空間を覗くような視線を観者に強いるタイプが、最近のブームなのだろうか、横浜トリエンナーレでも見かけた作品の縮小版が最初に設置されていた。グロテスクに蠢くような表面加工には限界があるのか、チラリズム的な想像を加え、全てを見せないことでその空気感を伝えており「闇」のデザインを感じた。階段を下ると垂直に伸び上がる作品がある。何メートルあるのかわからないが、どうやって運んで、どうやってこの空間に入れて、どのように固定されているのかが気になって仕方なかった。その階段を降りるとメインフロアに入る。想像以上に広く暗い。基本的にはヴァンジ氏の作品がメインに展示されていた。
コンクリート打ちっぱなしの無機質な空間と、効果的な光の在り方に、戸谷作品独特の灰が塗られた蠢く木の作品群は、あまりにもマッチしていて格好いいのだが、なぜかあまり感動していない自分がいた。予想がほとんど裏切られなかったからだろうか。それとも美術館の空間が、彫刻より勝っていたのかもしれない。
庭園に出る。突然広がるその広大な庭は、強烈に気持ちがいい。結婚式もできるようで、説明を受けているカップルが後ろにいたが、その気持ちがよくわかった。写真を自由に撮っていいので、しばらく気の向くままにシャッターを切る。同じことをしているおっさんがいて、彼の気持ちもよくわかった。ベンチに寝転がる。空がやたらに青い。もう彫刻作品はどうでもよく、この庭園そのものが充分魅力的なのだった。

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