再会

12 01, 2011
約20年ぶりにある知人と再会した。浪人時代に予備校が一緒だった人で、僕などとは比べものにならないくらい優秀な人だった。そしてそれは間違いなく今でも続いている。そんな知人のSさんが、これまた僕が大学時代に同級生だったT君と、このたびめでたく結婚することになった。世界は狭い。T君とは今でもつきあいがあり、先日そのSさんを連れてふたりでわざわざ自宅まで遊びに来てくれた。
浪人時代の僕の暗さはハンパなかったので、僕はその優秀なSさんとあまり話したことがなく、加えて20年ぶりだし緊張したのだが、まあいい歳なので普通にしゃべれた。そして思った。ある程度生きてくると、どんなに秀でた人でもそれなりの苦労をするようだ。しかし、その困難を越えてきた彼女の表情は明るく「受け皿が広がった」という感想からして、もしかするとSさんにとっては必要な経緯だったのかもしれない。

浪人時代にいた様々なメンバーの「あの人は今」話を色々聞いたのだが、その紆余曲折物語はどれも感慨深かった。そして定番の「誰と誰が実はつきあっていた」話は、僕としては驚きの連続だったのだが、どうやら公認カップル自体を分かっていなかったようで、またかと思ったが、もうそんな自分には驚かなくなった。
それこそ普通なのかもしれないが、そういった人間的経験値を上げつつ、デッサンができる多機能性を素直に尊敬してしまう。僕にはもちろんそういう人はいなかったし、大体みんなとても絵が上手で、僕は明らかにそこでは劣っておりなんとか上達できないものかと、日々実に真面目にデッサンしていた。周囲と話すことはほとんどなかった。しかし、その「絵が上手な人が尊敬される」という共通認識が根幹にあるピュアな空間は、わかりやすくて居心地がよかった。学力も外見も性格も経済力も家柄も生い立ちも無関係なのだ。世間に出てしまうとそういう場所はどこにもない。思えば自分がどうすればいいのかという問題点が、あれほど明確な時期はなかった。自分のすべきことが何なのか、分からない人は大勢いる。ほとんどの人はそれが見えず彷徨うのかもしれない。「創る」という僕の中での基盤が、あの時代に形成されたことは大きかった。そして、それを続けていると思わぬ嬉しい再会があったりする。そういう巡り合わせを実感した時間だった。T君、Sさん、どうぞお幸せに。

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任田進一

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