同級生

03 30, 2010
先日、大学の同級生4人と久しぶりに呑んだ。当時はそれほど親密な関係ではなかったのだが、今は住所が近く、仕事が遠からず繋がっていて40前のおっさんとしての共通な感覚があり、話が合うので再び集まったという感じだった。特に革新的な会話もなく、そもそも呑むという行為にそんな鋭利な会話は似合わないが、4時間近く呑み続けた。何かを成し遂げるという向上心を満たす行為が重要な時もあるが、その逆を向く時間も忘れてはいけない。
3月の終わりとはいいつつ、寒い雨の日だったので、友人が予約してくれた「おでん屋」という選択は実に正解でありがたかった。この歳になると20代のようなガツガツした感じは消える。これが適度な諦めを含みながらも冷静な視点に繋がり、話が偏ったものでなくそれぞれ聞けるものになる。歳をとった残念な思いもあるが、だからこそできる会話もあるわけで悪くない時間だった。
僕は同窓会というものにほとんど参加したことがない(そもそも誘われない)のだが、もしかすると幼き時代にできなかった会話が、今になって初めてお互いを労りつつ交わせるという新鮮さがあるのかもしれない。今まで同窓会とは、それぞれが自己肯定の話を繰り広げる場に思えて、距離をとっていたが、参加経験がないくせに勝手な予想はよろしくない。似たような状況として、友人の結婚パーティーがある。そこで幼い頃の友人と出会えば、年齢を経ているがゆえの会話ギャップを楽しめそうだ。しかし友人が少なく同窓会にも誘われない僕に、そんな招待状が来る可能性はなく、身の程を知るとともに我に返るのだった。僕は友達を作る努力を誰よりもしてこなかった人間で、それは年をとる程にツケが回ってくるのだろう。少なくとも今いる数少ない友人達は大切にしようと思う。
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