阪神戦
09 29, 2011
初めてプロの振り逃げを見た。盛り上がった。
相手のエラーで喜びを爆発させるのは不謹慎だが、嬉しいものは仕方ない。
尊敬する先輩達と3人で、ヤクルトvs阪神戦を見に神宮球場へ行った。僕はひいきにしているチームはないが、阪神は嫌いではない。特に阪神ファンには興味がある。彼らは阪神の選手以上に阪神を深く愛しているようで、試合中たえず選手それぞれの応援歌を歌い、思い思いのアドバイスを叫んでいた。この日の先発は秋山だったが、彼が塁にでようものなら「走れ」だの「走るな」だの好き放題絶叫する一方、藤井がしょうもないキャッチャーフライを落とした時は、愛情の裏返しなのだろう、人を罵倒してストレスを発散しているとしか思えない冷酷な怒号を浴びせていた。いくらまずい守備とはいえ、それは少々気の毒な感じですらあった。
どういう生き方をしたらそういう大人になるのか想像できないのだが、前の席に座ってカバのようにビールを飲み干し続けるおっさんは、何かあるたび「真弓!お前が辞表を書け!」と心から激怒し痙攣していた。後ろの若者達も、けなげに選手を励まし続け、絶望感満載の6点を浴びた後もそれは続き、その後の攻撃で阪神選手が塁に出ると「わっしょいやるべ」と周囲を盛り上げていた。その応援が効いたわけではなかろうが、振り逃げが決まって2点入ると「初めてみた!」と少年のように喜び驚き、身もだえしていた。
思うのは普段型にはめられるのを厭うのに、あの阪神を応援するスタンドに座ると、キッチリ型にはまった応援を一緒にしたくなることだった。僕は一生懸命まわりのリズムに合わせ応援グッズを叩くことに、確かな充実感を覚えた。
日常生活をおくるにあたり、感情を炸裂させることはそうあるものではない。この場所に集う方々にもそれは当てはまるだろう。面白くないこと、不条理なことはたくさんある中、たまにはこういう場所に来て、好き放題わめくのもアリなんだろうと思った。昔、久米宏が「世界一楽しい場所は、阪神を応援する甲子園のスタンドですよね」と言っていたのを思い出した。
結局この日阪神は負けたのだが、観客の「熱い」メッセージを受け止めつつプレーする選手の姿や、夜空が広々と見渡せる球場の空気感は充分魅力的で、相当優雅な時間だったと帰宅ラッシュに揺られつつ思ったのだった。
相手のエラーで喜びを爆発させるのは不謹慎だが、嬉しいものは仕方ない。
尊敬する先輩達と3人で、ヤクルトvs阪神戦を見に神宮球場へ行った。僕はひいきにしているチームはないが、阪神は嫌いではない。特に阪神ファンには興味がある。彼らは阪神の選手以上に阪神を深く愛しているようで、試合中たえず選手それぞれの応援歌を歌い、思い思いのアドバイスを叫んでいた。この日の先発は秋山だったが、彼が塁にでようものなら「走れ」だの「走るな」だの好き放題絶叫する一方、藤井がしょうもないキャッチャーフライを落とした時は、愛情の裏返しなのだろう、人を罵倒してストレスを発散しているとしか思えない冷酷な怒号を浴びせていた。いくらまずい守備とはいえ、それは少々気の毒な感じですらあった。
どういう生き方をしたらそういう大人になるのか想像できないのだが、前の席に座ってカバのようにビールを飲み干し続けるおっさんは、何かあるたび「真弓!お前が辞表を書け!」と心から激怒し痙攣していた。後ろの若者達も、けなげに選手を励まし続け、絶望感満載の6点を浴びた後もそれは続き、その後の攻撃で阪神選手が塁に出ると「わっしょいやるべ」と周囲を盛り上げていた。その応援が効いたわけではなかろうが、振り逃げが決まって2点入ると「初めてみた!」と少年のように喜び驚き、身もだえしていた。
思うのは普段型にはめられるのを厭うのに、あの阪神を応援するスタンドに座ると、キッチリ型にはまった応援を一緒にしたくなることだった。僕は一生懸命まわりのリズムに合わせ応援グッズを叩くことに、確かな充実感を覚えた。
日常生活をおくるにあたり、感情を炸裂させることはそうあるものではない。この場所に集う方々にもそれは当てはまるだろう。面白くないこと、不条理なことはたくさんある中、たまにはこういう場所に来て、好き放題わめくのもアリなんだろうと思った。昔、久米宏が「世界一楽しい場所は、阪神を応援する甲子園のスタンドですよね」と言っていたのを思い出した。
結局この日阪神は負けたのだが、観客の「熱い」メッセージを受け止めつつプレーする選手の姿や、夜空が広々と見渡せる球場の空気感は充分魅力的で、相当優雅な時間だったと帰宅ラッシュに揺られつつ思ったのだった。