映画館デビュー

08 21, 2011
調布市文化会館で行われたキンダー・フィルム・フェスティバルで「まいごのペンギン」という映画を家族で観た。それを観る前にいくつか短編を観ており、なかなか入り込めない自分がいてどうしたものかと思っていたのだが、この「まいごのペンギン」が始まり、迷子であろうペンギンがチラリと映った時、それだけでこの映画に持っていかれた。その縦70%くらいにデフォルメされたペンギンが、町中を独りでボテボテ歩く光景は、かわいいけれど意外にシュールで新鮮だった。説明も事前の知識も、何も必要ないビジュアル一発の気持ちよさを思い出した。たいしたストーリーもない短編映画で、ここまで魅せられてしまうと、その凄さをつぶさに検証したくなるが、とにかく丁寧な絵作りであることは確かだった。
以前宮崎駿が制作現場で、何故その食シーンが駄目なのか、リアルに春巻きを食べながらストップウォッチでその時間を計り、スタッフに力説するドキュメントを何かで見て、そんな細かいことを、と思ったのだが、そのディティールが重要らしく、駿は「春巻きを食べる、そこには世界の秘密が宿る」と力説していた。覚えておこうと思った。

映画館デビューを娘はまだしていないので、じっとしていられるのか心配ではあったが、小さな子供連ればかりなので気楽だった。特別ゲストで内田恭子が来ており、インタビューされていた。「お父さん早く、ウッチーなんて知らないもん」と子供にせかされたお父さんが「わかった、でもひとめだけ」と応えており、僕も全く同じことを考えていた。確かにインタビューはどうでもいいが、せっかくだしどんな人なのかひとめ確認したかった。同時に自分のやじ馬性も確認できた。
夏休みの子供向けイベントというものを、全く知らずにここまで生きてきたが、それほど悪くないというか、短時間で効果を上げるべく色々考えられており充分楽しめた。
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