少しだけ

08 14, 2011
まっさらな状態であることが作品を観る上で大切だろうと思い、展示が終わるまでは具体的な作品の何かを、なるべく公表しないようにしているのだが、本日が最終日であることや色々意見が出て来たこともあり、作品の意図的なことを少しだけ書く。

今回のグループ展に出品した作品には、ハーフミラーを使用している。3.11後に制作した作品に限るという中で、僕が強調すべきと思った要素のひとつは、観る側であって観られる側ではない鑑賞者の顔だった。
あの大災害をどう考えるかは、人それぞれ異なる意見があるとは思うが、少なからず皆当事者としての意識があったはずで、映像が終わったとたん自分の顔が浮かびあがることで、「あなたはどう考えたのか」という問いかけの意味合いを込めつつ、鑑賞者を作品に登場させたかった。映像として流しているイメージは、淡い流動現象そのものなので、多少の写り込みがあっても印象は伝わるだろうと思ったのだが、どうやら逆に観たいものが見えず、周囲の光景や自分の顔ばかりが見えてしまい、苛立ちがつのった方もいたようで、当たり前だが意図を形にする困難さを、今回も勉強することになった。
もちろん後悔はしていない、ハーフミラーを外すつもりもない。問題があることで「次」が始められる。展示が終わる時期に、解決すべき課題が生まれることはありがたい。

本日が最終日になります。ご高覧頂けましたら幸いです。(本日は18時までです)
http://www.neutron-tokyo.com/gallery/schedule/1107/KITARUBEKISEKAI/index.html
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2 Comments
By MIWA08 15, 2011 - URL [ edit ]

グループ展お疲れさまでした。
土曜日にニュートロンでお話をさせていただきました三輪です。

3.11の東日本大震災は多くの人間の命と暮らしを奪いました。
失ったものはとてつもなく大きくて我々が何かをしたところで取り戻す事はできませんが、起きてしまったからこそ見えてくるものもあります。日本の復興とは失ったものを取り戻すことではなく、起きてしまった悲劇を踏まえ、よりよい未来を作る事なんだと思いました。

任田さんの意思とは別の偶発的に起きた自然を作品とするスタイルは僕にとってとても大きな衝撃でした。これからの活動も楽しみにしています。
ありがとうございました。

By 任田進一08 15, 2011 - URL [ edit ]

三輪様
こちらこそ暑い中ご足労頂き、どうもありがとうございました。
作品に興味を持ってもらえるだけで、とても励みになります。

>起きてしまったからこそ見えてくるものもあります。

まさに、その通りですね。
常に「これからどうするか」が問われているのだと思います。
また展示の際は、ご案内させて頂きます。ありがとうございました。

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