方法

02 17, 2010
新しい方法が確立してそのやり方が主流になると、以前の方法で作られた作品が全て過去のものになってしまう。革新の一端を実感し、漠然と進めていた時の恐ろしさを思う。
反省が趣味ではないが、ここひと月程自分がその日にやった制作行為を書き出し、問題を洗い出していた。実に突っ込み所が多いやり方をしていて、そこを日々修正してきた。そうすることで試作に様々なバリエーションが生まれ選択の余地が格段に広がり、制作にあたっての束縛要素からずいぶん自由になった。それが作品の善し悪しを判断できることに繋がり、ほぼ一年近く続けていた方法が過去になり、その分の作品はほとんどお蔵入りになった。
僕の作品は自然物を取り入れているので、ある範囲を越えるとそこから先は偶然に任せることになる。その偶然をある程度コントロールするために「方法」を作る。ここを見直し続けることで、失敗率が減ると共に「方法」自体の更新が始まる。これがさらに新しい偶然を呼び込み作品の変化が必然となった。このエンドレスな予感は悪くないのだが、その分完成はまた遠のく。しかし、これもそのうち行き詰まりになるだろう。そうなれば再び亀裂を作るべく、何かの要素を更新させていくしかない。延々と続くその繰り返しのスパイラルが、できれば上昇傾向にあるとよいのだが。
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任田進一

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