むずむず

12 28, 2009
先日、大学時代の同級生の依頼で、専修大学で特別講義をした。
情報デザイン学科で准教授をしているその友人は、卒業後、様々な大学で非常勤講師を続けつつ現在にいたる。講義の前に案内された、大学内の本にまみれた彼の個室がなかなか魅力的で、彼が彼の思考に没頭して仕事をしている日常を感じさせる空間だった。仕事と制作が分かれている僕の生活とは違う潔さをそこに感じた。コーヒーもおいしかった。

講義内容は、デザインに関する僕の経験を語るもので、学生にとってその話が面白かったかどうかは謎だが、100人近くの学生を前に話す僕にとっては、初体験であり面白かった。階段状の講義室は、学生の個々の状態が予想以上に見渡せるし、さらにカメラもあって、映像で彼らの背後も確認できるのだ。そして、なにより途中での入退出者の動きが、僕の授業態度を思い出させ、当時こういう感情を教授達に与えていたのかと妙に納得したりした。
反省としては、質問への対応に工夫がないというか、普通なことしか言えなかったことだ。
正直、言っているそばから「俺ってつまらねえな」と思っていた。
なんというか、実際デザインをする現場では、面白ければ多少の間違いなど、逆に魅力的なのだが、こういう講義の場では、妙なことを言ってはまずいのではないかと、勝手に自制心が働き、正しいことを言おうとしている自分にむずむずしていた。
いい年なのに、経験の足りない自分を素直に感じた。

大学の近所にある和洋混合の不思議な喫茶店で、友人からパスタを御馳走になる。
面白いし結構なことだが、どうして大学近辺にはこういう変な店が多いのだろう。
駅へ向かう道で、様々な学生とすれ違う時、そういえば自分もこんなような空気を吸っていたことを思い出した。そして、外から見れば実に羨ましい時期なのに、当時の僕はあらゆることが思うようにできず、やっぱりむずむずしていたことも思い出した。
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