最終回

06 20, 2011
連載中の漫画を雑誌で毎回読むことはあまりないけれど、単行本が発売されるたびに購入しているものはいくつかあり、その2つが最終巻となってしまった。いつ終わるのか予想もできない、作者の人生と共にあるような漫画とは違うので、常識的な範囲で完結するだろうとは想像していたが、もう終わってしまうのかという感じではあった。(11巻と14巻だった)
だいたい3ヶ月か半年くらいで新巻が出るのだが、思えばこういうスパンは普段あまり味わわない。相当難しい長編小説とかならば、読了までに3ヶ月くらいの期間を要するかもしれないが、大抵の本は1、2週間で読み終わるので、ストーリーや構成を忘れることもない。しかし3ヶ月以上(ときには1年)の空白があると、 登場人物すら曖昧になっていて、読みながら過去の復習をすることになる。ああこういう人がいたとか、そんな感じの空気だった的な記憶の掘り起こしが行われる。 そしてこの時思い出すのはその内容だけではなく、その本を読んでいた過去の自分に他ならない。再読される本は、その物語と同時に当時の記憶も蓄積されるので、その所持者にとって重要な意味を持つのだろう。そういった普段必要とされない記憶の復活感覚を、新巻が出るたびに適度な重さで味わうのが楽しい。しかし 先日それが、2つの物語においては終わってしまい微妙にさみしい。
ただ50巻とか収集が困難になる状況の前に完結してくれてありがたいとも思う。ガラスの仮面とか王家の紋章などの読者は大変だろう。以前そのどちらかの新巻が書店に並んでいて、漫画を読みそうにないキャリアウーマンが、不意を突かれたのだろう、それを見て「ヒッ!」と悲鳴をあげ、本をまざまざと凝視していたのを思い出す。出るだけで読者を驚かすこのクラスになると、継続だけで充分価値があるのだろう、凄いことだ。そしてそういう人生の大半を共に進行してきた物語があると、それなりに生活も楽かろう。そんなにも驚けるキャリアウーマンさんが、少しうらやましかった。
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