OZAKI

03 23, 2011
何となく気になっていたドラマをテレビで見た。それは尾崎豊の話。
数日前に主演の成宮寛貴の写真が新聞に載っていて、それが驚くほど尾崎豊に似ていたのが、気になった理由だった。ドラマは正直面白いとは思わなかったが、時々出てくるノートに走り書きされた歌詞や実際に歌われるシーンを見ると、よく聞いていた当時の感覚を思い出し、自分の過去を反芻することはできた。コンサートに行く程ではなかったけれど、随分彼に影響されたし、初めて15の夜を聞いた時、こんな歌を作る人がいるのかと思い、素直に感動した。しかし大学生になると、尾崎が好きだとは言えない空気をどことなく察知した。そして、それは今でも鮮明に覚えているのだが、「尾崎豊怪死」というスポーツ新聞の見出しを、僕は早朝の川崎大師で見たのだった。バイトでそこにいたのだが「そうか死んだのか」と変に納得し、驚くほど驚かない自分に驚いた。その感覚が何処から来るのか解らない。ただ、それまで必ず発売日にレコードを買っていたのに、その最後のCDは何故か購買意欲が湧かず、レンタルで聞いたのだった。このレコードからCDへの変換期に僕の感覚も変換されたのかもしれない。
ドラマがどこまで忠実なのか知らないけれど、真っ当な御両親のようだし、面倒を見ていたプロデューサー?も素晴らしい人に思えた。結婚し子供も生まれ、彼の周囲には何も問題がなかった。あえて言えば、彼が歌うような反抗すべき何かが消えてしまったことか。ただ、逆境を無理に自作するような彼の20代の生き方は、やはり不自然だろう。
再注目されているのか、時々カバーされた彼の歌を耳にする。相当な違和感を覚える。徳永英明が色々カバーして流行ったけれど、カバーされていい歌とそうでない歌があるように思え、尾崎豊の歌は尾崎豊のものなのだろうと感じた。コンサートのシーンで、一緒に歌っている観客に対して、彼が「歌うな、歌うな」と繰り返していたのが、印象的だった。
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5 Comments
By kammy03 28, 2011 - URLedit ]

kammy by Kamitani Toshio

こんにちは
尾崎豊は 私にとってもっとも心に響いたミュージシャンです
サザンでもなくユーミンでもなく中島みゆきでもなく
最も「聴いた」ミュージシャンです

大学受験に失敗してそれまでの人生で最大の壁にぶち当たった時
(今思えば それほど大きな壁でもなかったですが)
ラジオから聞こえてきたのが尾崎の「17歳の地図」
その後ミュージッククリップも観た
蜂や蜂の巣 蜂蜜の映像の意味はわからないけど
ただ その曲が好きだったので その映像も好きになった

尾崎豊は青学(基本的にエリートなんですよね 彼は)の卒業式の日に
ルイード(だったと思う)というライブハウスでライブを開いた
そのライブ映像で歌った「17歳の地図」も忘れられない
プロデューサーは「すどう○○○」とかいう名前だったと記憶しています
尾崎の悩みとは次元が違うけど 同じ若いという理由で
尾崎の歌にハマりました

成功を勝ちとってからは尾崎は歌うべき歌がなくなったように見える
若い時に歌っていた歌詞を歌っても 今の尾崎そのものとは違いすぎる
大人を攻撃していたけど 自分がその大人になってしまった
観衆はかつての尾崎を求めるけれど そこにはもうかつての尾崎はいない

結局 薬に手を出す事しかなかったようです
私の1つ上の医者の兄は 尾崎の死の状況を新聞で読んですぐに
「覚せい剤による死亡」だと言った

「Birth」なる二枚組のアルバムは
子供の誕生という 新たに歌うべき格好のテーマがみつかったように見えるけれど
やっぱりそれまでの尾崎に比べると「弱い」
一番わかっていたのは 尾崎本人だろう

でも 死んだ後に出た未完かもしれないアルバムにある
「太陽の破片」は尾崎の最後の振り絞ったストレートな気持ちだと思う
最後の最後に 素晴しいアルバムを残した尾崎豊は
今だに私の心に生きています

By 任田進一03 29, 2011 - URL [ edit ]

kammyさん
コメントどうもありがとうござます。
尾崎を聞かれていたとは意外です。
「死んだ後に出た未完かもしれないアルバム」を
僕は知りませんでした。
「Birth」で終わるという、
出来すぎた人生かと、勝手に記憶していました。
しかし、希有な仕事をした人ですよね。
今ああいう人は、いなのでしょう。



By kammy03 29, 2011 - URLedit ]

kammyです

尾崎のラストアルバムは「放熱の証」です
確か亡くなったときはまだ発売していなかったと思います
尾崎のアルバムでは初期三部作が最高でしょうね
私はすべて好きですが
特に好きなのは
「太陽の破片」と「太陽の瞳」なんです
ラストアルバムに入っているのは「太陽の瞳」でした
「太陽の破片」は街路樹というアルバムでした
昨日久ぶりに尾崎を思い出して
何曲か聴きましたがやっぱりいいですね
この2つの曲は尾崎のありのままの姿に見えます
痛々しく 壊れそうな尾崎豊がここにいます
美しい楽曲とともに

By 任田進一03 29, 2011 - URL [ edit ]

教えて頂きありがとうございます。
youtubeで聞きました。
なんだか他の歌も復習したくなり
色々聞き続けてしまいました。

By kammy by kamitani toshio03 30, 2011 - URLedit ]

kammy です
尾崎豊のプロデューサーは「須藤晃」さんでした
彼のラジオを聴いていて 尾崎を知りました
エンディングでいつも「17歳の地図」をかけていました
須藤晃さんは 熱かったです
熱い若者が好きだったのでしょう

尾崎豊のトリビュートアルバムがあって
いろいろ聴きましたけど
BLUE ~A TRIBUTE TO YUTAKA OZAKI
GREEN ~A TRIBUTE TO YUTAKA OZAKI
がお勧めです
選曲もいいし 
とくにGREENは新人やインディーズの人が参加してて
大物アーティストが参加しているBLUEよりも素晴らしですし
何より尾崎豊に合っています
ドーナツショップをうたう韓国の女性歌手
タップによる演奏や朗読など どれも素敵なんですよ
これらのトリビュートアルバムのプロデューサーも須藤晃さん
GREENはまさに尾崎豊を発掘した目を感じます

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