ホラー体験

03 01, 2011
岡本太郎美術館へTARO賞の展示を娘と観に行く。会場に入ると、どうしたんだと思うくらい巨大な作品が多い。搬入出が大変そうだ。そしてどの作品も非常に手数が多いので見応えがある。しかしどことなくホラーな作品が多く、4歳の女の子には刺激が強いのか、すぐに怯えてしまい出口に向かおうとするので、仕方なく抱っこし強引に観て回る。娘はしばらく目を閉じて頑張っていたものの、貞子のような黒髪の人影達があちこちで何かをのぞいているインスタレーションを目撃して涙をこぼし、巨大なカラス人間の彫刻に悲鳴をあげ、ボディペインティングをほどこした半裸の女性が原住民のように踊り狂うビデオにおののき、首だけのマネキンが大量に並ぶ立体作品を見た後、都市を浮遊しながら狂気の表情で何かをわめく巨大な女性の細密画を見て、大泣きしてしまう。さすがにここが引き際だろう、と思い出口へ向かう。そういえば娘が渋谷駅の「明日の神話」を見た時にも怖がっていたことを思い出す。太陽の塔はしきりに感心して見上げていたし、仮面ライダーの悪役達やプリキュアの爆破シーンはかぶりつきで見ているので、多少の度胸はあると思っていたが、今回の入選作品には心底仰天したようだ。少々偏っている気もするが、ある意味インパクトある作品が並んでいたということか。
実はある人にこのコンペの参加を勧められて、今回観に来たのだが、僕の作品がここに並ぶイメージが、どうも現実的に思えなかった。しかし、自分の予想がいかに信用ならないかは何度も経験したし、何事もやらない後悔よりやった後悔の方が健康的と考えるべきだし、意図する作品ができればエントリーしてみようと思った。

娘は大泣きした後お腹がすいたと主張し、併設されているレストランでハンバーグにかぶりつき、口のまわりをソースでべたべたにしていた。人でも食べたんですか、という迫力がその顔にはあった。こういう幼児たちの食後直後の表情を大画面で相当数並べたら、根源的な食欲を象徴する作品にならないかと少し考えた。きっと思考がTARO賞に影響されていたのだろう。
この美術館は生田緑地の中にあり、季節によってはとても気持ちよい場所だ。同じ場所に日本民家園という、昔の民家が実際に立ち並ぶ、なかなか渋いテーマパークみたいなものもあり、どちらかというと娘はこっちの方が楽しめたかもしれない。茅葺き屋根や囲炉裏の魚や、土間から眺める日本家屋の板の間は、確かに絵本の世界が現実になったようで新鮮だろう。スタンプラリーもあって、スタンプを見つけては歓声をあげていた。2月とはいえ眩しいくらいの光が溢れており、花粉さえなければのどかな休日だった。 
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任田進一

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