見えていないだけで、何もないわけではない
06 14, 2018
今まで撮影に適した天気とは、僕にとって曇りだった。直射日光があたることで生まれる影が、どうにも邪魔だったのだ。通常、撮影した後で色調整をするのだが、コントラストが強いと、この調整が非常にやりずらく、また、やったところで逆効果になることが多かった。曇りの状態だと、被写体全体に光が回り込むため、データが極端な方向に振れることなく記録される。つまり内包されるデータ量が多い感じになり、その後の調整が、とにかくやりやすいのだった。しかし、最近あえて直射日光の影響をもろに受けた写真を撮るようになった。ハイライトで色が真っ白に飛んでしまう部分に接近し、極力そこを飛ばないように表情が浮きでるように撮影するのだ。そうなると光量を限りなく抑えることになるので、どんどん黒っぽい写真になっていくのだが、そこで初めて見える光の粒子の連なりが、光そのものが物質化したようで、実に新鮮だった。微細な表面の凹凸ひとつひとつの頂点に、光が粒となって宿る。ハイライトが、真っ白に飛んでしまうとは、その表面に、この光の粒がびっしり集合しているということになる。見えていないだけで、何もないわけではないことが多々ある。



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