無意味な断片イメージの連続波状攻撃
01 31, 2019
約10年程、家族全員インフルエンザとは無縁だったので、インフル無視の生活を継続していたら、己れの愚かさを知れとばかりに自分自身が感染してしまい、高熱が持続する苦しみを初めて味わった。背中の痛みを過剰に意識した翌日体調の変化を無視できず、病院で体温を測ると38.8度、鼻に棒を突っ込まれ感染を告げられ、薬局で薬を吸い込むと、それ以上やることはないらしい。悪寒は酷かったが、まだまだ冷静だったし仕事の引継ぎを遠隔で済ますと、後はこれから一週間、僕は何もせずに寝てていいのか?ということになるのだった。予想外の自由時間到来、とばかりに読みかけの本を何冊か抱えて布団に潜り込み、さあ楽しもうと思ったのだが、なかなか内容が入ってこない上に寒気が悪化し、頭痛のくせに全身が圧迫される。仕方ない読書を諦め、睡眠に集中するかと思い目を閉じるのだが、とてもでないが寝ていられない。どうでもいい断片的なイメージが連続的に脳内を掻き乱す、顔を顰め何度も寝返りを繰り返すが安定は得られない。己れの呑気さと高熱の苦しみを実感し、愚か者らしく何時間も悶え続けるしかないのだった。状況が変わったのは、妻が作ってくれたお粥を食べてからだ。ひとくちの有り難みを実感した。お腹が満たされ、安定が得られそうな気配と布団に包まれながら、再度寝たのだが、気がつくと今度は汗が止まらない。下着が濡れる感じは初めてだった。実際かなり濡れていたので着替えると、高熱感が随分弱まっている。布団に横たわる。目を閉じても無意味な断片イメージの連続波状攻撃も弱まっている。ああ、ようやく寝れるのだと思う瞬間だった。
