最強の杖
10 30, 2014
娘と初めてユニバーサルスタジオジャパンへ行った。目的はハリーポッターのアトラクションを楽しむことであった。しかし無情にも、僕らはそのエリアに入ることさえ出来なかった。9時の開園に合わせてチケット売場に並び、入園後は脇目もふらず整理券をもらう列に並び、延々歩かされること45分、ようやくたどり着いた発行所で告げられた予約可能時間は、16時10分以降であった。その日に帰る予定で指定を取っていた僕の記憶では、新大阪発が15時56分だった。どう工夫しても間に合わないので、娘にそれを告げると、その目がみるみる赤くなり涙が吹き出し、実に悲しい顔に変化するのだった。それはそうだろう、そのためにはるばるやって来たのだ。そのためにDVDでほとんどのハリーポッターを観てきたのだ。しかしその労力が今日は生かされない、楽しみにしていたあの世界には入れないのだ。そのつらい気持ちは充分伝わってきた。
それにしても開園と同時に入ったのに、6時間半待ちとはどういうことなのだろう。仕方ないのか。例えば東京ディズニーランドだったら、とりあえず並べばいつかは見れた。ひどいと4時間待ちとかだが、それは列に並ぼうと思った時に判明するので、そこからどうするかを選べる。しかしハリーは、まず整理券を取るべく並ばないといけない。そしてその間は自分がいつ頃入れるのかも、いつ整理券が取れるかもわからないまま長時間並ぶのだ。そして、今回はこちらの都合とはいえ、見れないという事実を突きつけられた。競争率の問題といえばそれまでだが、そんな狭き門だとは思わなかった。そういえば帰り際は入場制限をしており「ご案内までに120分ほどかかります」と駅でしきりにアナウンスしていた。入るだけでも2時間待ち、どんだけ人が溢れていたのだろう。
ハリーを見れない娘が涙ながらにもう帰ると言うので、それをなだめすかし手短に「JAWS」に入ってみた。そこでも90分待ちだったが、何か見れば気分も変わると思ったのだ。しかし失敗だった。娘は終始サメに怯え続け、ずっと顔をふせたまま結局サメを見ずして水だけかぶった状態でエンディングになってしまった。娘の悲しみは怒りに変わった。僕は娘が楽しめるようにとボートの端に座らせたのがいけなかったらしく、自分の身を守るために子供を盾にするとは何事かと、娘に責められた。しばらく歩いてみようと飲み物を買い(ここでも30分待ち)ぷらぷらしてみた。これは結構楽しかった。特にハロウィンシーズンだったので、客達がやたら衣装やメイクにこだわっており、しかもそのえげつないゾンビメイクがリアルで、僕は最初本当に怪我をしているのかと思った。座り込むゾンビやドラキュラの間で僕らも休み、次の行動を娘に選ばせると、バックトゥーザフューチャー(90分待ち)に興味を示した。まだタイムマシンを信じているのかもしれない。
そして、これが娘にははまったようだ。実物大の恐竜とかサメが襲ってくるのは、機械とわかっていても駄目らしいのだが、映像であれば問題ないようで、娘は8人乗りデロリアンで時間旅行のスリルを存分に味わっていた。無事にビフを捕まえた後は笑顔で「面白かったあ」を連呼し、怒りは喜びに変わっていた。
待ち時間の関係で入れるアトラクションもなくなり、お土産を見て帰ることになった。色々物色していると、そこにハリー関係のお土産コーナーがあり、そこに魔法の杖が壁一面に並んでいた。お目当てのアトラクションを見せられなかった後ろめたさもあり、これを買って帰ろうかと提案すると、娘は猛然と杖を選び始めた。目指すものがあるらしく、それはダンブルドア用、つまりホグワーツ魔法魔術学校長の杖であった。娘が言うには最強の杖らしい。探し出したそれを娘はずっと胸に抱えていた。
新幹線の中で色んなものに魔法をかけて嬉しそうにしている姿は微笑ましいが、やはり、目的が達せられなかった悔しさは残る。近いうちにリベンジに行きたいと僕の方が思ってしまうのだった。USJマジックにかかってしまったか。
それにしても開園と同時に入ったのに、6時間半待ちとはどういうことなのだろう。仕方ないのか。例えば東京ディズニーランドだったら、とりあえず並べばいつかは見れた。ひどいと4時間待ちとかだが、それは列に並ぼうと思った時に判明するので、そこからどうするかを選べる。しかしハリーは、まず整理券を取るべく並ばないといけない。そしてその間は自分がいつ頃入れるのかも、いつ整理券が取れるかもわからないまま長時間並ぶのだ。そして、今回はこちらの都合とはいえ、見れないという事実を突きつけられた。競争率の問題といえばそれまでだが、そんな狭き門だとは思わなかった。そういえば帰り際は入場制限をしており「ご案内までに120分ほどかかります」と駅でしきりにアナウンスしていた。入るだけでも2時間待ち、どんだけ人が溢れていたのだろう。
ハリーを見れない娘が涙ながらにもう帰ると言うので、それをなだめすかし手短に「JAWS」に入ってみた。そこでも90分待ちだったが、何か見れば気分も変わると思ったのだ。しかし失敗だった。娘は終始サメに怯え続け、ずっと顔をふせたまま結局サメを見ずして水だけかぶった状態でエンディングになってしまった。娘の悲しみは怒りに変わった。僕は娘が楽しめるようにとボートの端に座らせたのがいけなかったらしく、自分の身を守るために子供を盾にするとは何事かと、娘に責められた。しばらく歩いてみようと飲み物を買い(ここでも30分待ち)ぷらぷらしてみた。これは結構楽しかった。特にハロウィンシーズンだったので、客達がやたら衣装やメイクにこだわっており、しかもそのえげつないゾンビメイクがリアルで、僕は最初本当に怪我をしているのかと思った。座り込むゾンビやドラキュラの間で僕らも休み、次の行動を娘に選ばせると、バックトゥーザフューチャー(90分待ち)に興味を示した。まだタイムマシンを信じているのかもしれない。
そして、これが娘にははまったようだ。実物大の恐竜とかサメが襲ってくるのは、機械とわかっていても駄目らしいのだが、映像であれば問題ないようで、娘は8人乗りデロリアンで時間旅行のスリルを存分に味わっていた。無事にビフを捕まえた後は笑顔で「面白かったあ」を連呼し、怒りは喜びに変わっていた。
待ち時間の関係で入れるアトラクションもなくなり、お土産を見て帰ることになった。色々物色していると、そこにハリー関係のお土産コーナーがあり、そこに魔法の杖が壁一面に並んでいた。お目当てのアトラクションを見せられなかった後ろめたさもあり、これを買って帰ろうかと提案すると、娘は猛然と杖を選び始めた。目指すものがあるらしく、それはダンブルドア用、つまりホグワーツ魔法魔術学校長の杖であった。娘が言うには最強の杖らしい。探し出したそれを娘はずっと胸に抱えていた。
新幹線の中で色んなものに魔法をかけて嬉しそうにしている姿は微笑ましいが、やはり、目的が達せられなかった悔しさは残る。近いうちにリベンジに行きたいと僕の方が思ってしまうのだった。USJマジックにかかってしまったか。
