flying lady

10 30, 2011
IMG_4161.jpg
0 CommentsPosted in 写真

ヨコハマトリエンナーレ 2011

10 29, 2011
見事な秋晴れの日、ようやく横浜へ行けた。もうずいぶんここには来ていなかったので、風景がまるで変わっており驚いた。みなとみらい駅から出たとたん、大きな白いマンション群が林立していた。白い曲線ラインと空の青とのコントラストがダイナミックで眩しく、しばらくみとれてしまった。

ヨコハマトリエンナーレ2011「OUR MAGIC HOUR」
混雑しているとは聞いていたが、開館30分前ぐらいだったので既に人はいたが、混雑というわけでもなかった。平日の朝イチなので年齢層が高いのが特徴といえる。
久しぶりにこういう大人数の展示を一気に観ると、既知の作家が多いためかもしれないが、意識から流れ落ちてしまう作品があまりにも多い。ほとんど確認作業みたいな見方になってしまった。そしてこういう空間で、明らかに目立つ作品とほとんど認知されないであろう作品の在り方を思った。繊細の極みでもって作られた小宇宙を、天体望遠鏡でのぞき観る作品があったが、そう工夫せざるをえない状況がよくわかる。作家達の苦労を思う。
このヨコハマ・トリエンナーレを総括する人はたくさんいるだろうし、僕は「マジック」というテーマと個々の作品との関係には、あまり興味がない。ただ、BANK ARTで観たクリスチャン・マークレーの「The Clock」に関しては評判通り見事だと思った。あの作品を最後に観ることになった自分は運がいい。映画の時計が出てくるシーンを分刻みでコラージュし、24時間にまとめる大変さを思うと目眩がする。僕は2時近辺の時間だったが、是非夜中から早朝にかけてを観たかった。ナイト・オン・ザ・プラネットはあるだろうか、とか想像するのも楽しい。あの一瞬一瞬に自分が観た映画が挟み込まれると、一気に親近感がわくのは何故だろう。多くの人があの作品に引き込まれる理由がよくわかった。実現は不可能だろうけれど、時間ごとにバラしたDVDが出たら売れると思う。「The Clock / 3:00 - 5:00」どうでしょうか。

ビールが飲みたくなった。BANK ARTでも飲めたが、せっかく気持ちよい天気だしヨコハマだし海でも見ながら、と思ったのが間違いだった。見えているのに近づかない感覚で、随分時間を浪費したうえ、適当な店も見つからない。手軽なつまみとビールだけでいいのに、ガッツリしたレストランになってしまうと、高いしどうも入る気がしない。そうやって見送っていると、BANK ARTで飲んでおけばよかったと後悔した。こういう時ひとりで行動していると、誰にも迷惑をかけない分なかなか妥協できない。結局海が見える公園まで来たがジュースしかない。負けを認め駅へ向かう。しかし、みなとみらい駅へ降りる途中、ホットドックやコロナビールを売っている小さな店があった。妥協しなくてよかった。無愛想な外人が、ライムを突っ込み差し出してきたコロナは、冷たくて最高だった。ホットドックも手頃で充分な味だ。遊園地から聞こえてくる歓声と晴れた空の下、流浪した分おいしい昼食を堪能できた。
0 CommentsPosted in 展示

ナチュラル・ストーリーズ 畠山直哉

10 27, 2011
岩石むき出しの採掘現場が、むくむくと盛り上がり画面いっぱいに巨大な石が飛び散る様は圧倒的だった。連写した35mmフィルムを高解像度スキャンし、連続投影することで動画的効果を生み出すその手法を、僕は今回初めて観た。山は動かないと認識している僕にとって、その山が膨れ上がって爆発するシーンは、異様としか形容できない、このブラストシリーズは既に写真で何度も観ていたにも関わらず、それが実物大に近い形で動くだけで、全く異なる印象を受けた。そしてなんと突拍子もないことを、この人は仕出かしたのかと思った。

「ナチュラル・ストーリーズ」畠山直哉(東京都写真美術館)
その日は、畠山直哉と池澤夏樹の対談が予定されており、是非とも聞きたかったのだが、夕方のこのこ出かけた人間に、その席があるほど現実は甘くない。残念だが仕方ない。
しかし、その展示は相変わらず完成度が高く惚れ惚れした。シリーズごとにフレームやサイズを微妙に変えるといった、細かな気遣いが素晴らしく、目が最高のサービスを受けているような気分だった。写している内容やコンセプトに、僕が何か口を挟む余地はもうない。ただただ彼の超越した視線に宿る世界の姿に、素直にみとれていた。

ひとつ、陸前高田市を撮影した作品群があった。被災した街の痛ましいシーンが並んでおり、それと対峙するように既に過去となった以前の気仙川の様子がスライドで流されていた。背後の写真と同じフレームにはめ込まれたそのスライドは、動画的効果で現在的なイメージを醸し出すが、それは戻らない過去の姿であり、逆に過去のような写真の世界こそが今の現状なのであった。そのある意味ベタな演出は、クールな畠山作品らしくないものであったが、彼はまさにそこで育ったようで、今回の震災で母親を亡くされたらしい。
写真は大きくプリントすることで、絵画的な迫力がでる。現代美術として流通する写真は、その多くが巨大である。今回の展示も大きなプリントが多い。そしてその効果は写された内容を助長していて美しい。しかし、この被災地のプリントは皆とても小さい。それは劇的さを避け、間違っても美術品ではないという配慮に思われ、胸が痛む空間だった。

展示の最後にブラストシリーズがある。自然の猛威を思わせるそれは、人智を超えた力を見せつけている。しかし、その爆破は意図的なものであって、実は人間が引き起こしている世界なのだ。しかもそれは石を経済的に利用すべく緻密に計算された発破である。人間が自然を操つろうとした結果どうなったのか。それがどう今に繋がるのかを再考せずにはいられない。
12月4日まで。
0 CommentsPosted in 展示

HP更新

10 26, 2011
ホームページを更新しました。
http://www.shinichitoda.com/

テキストコーナーに、高校時代からの友人である川瀬君の文章を追加しました。彼は私の初期から現在までの作品を、ほとんど全て観てくれており、現在は多摩美で講師をしています。時期ごとに変化した作品の傾向を俯瞰する視点は、僕にとって自分の仕事の意味を再発見するきっかけとなりました。御一読頂ければ幸いです。
http://www.shinichitoda.com/text/text.kawase.html

また、バイオグラフィーに夏のグループ展の作品を加えました。展示イメージは、写真家の廣瀬さんが撮影してくれています。よろしくお願い致します。
http://www.shinichitoda.com/profile/profile.html
0 CommentsPosted in 制作

banana!

10 24, 2011
IMG_3955.jpg
バナナの叩き売り。飛ぶように売れていた。
2 CommentsPosted in 写真
プロフィール

任田進一

Author:任田進一
http://www.shinichitoda.com

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ